よくある勧誘の手口と、契約前に確認する書類
更新:2026年10月30日(税制は令和8年4月1日現在の法令等で確認)|Veliq Living 編集部
- 国民生活センターには、投資用マンションの勧誘に関する相談が2018年度に1,350件あり、うち20歳代が405件でした。
- 宅地建物取引業者には、目的を告げない勧誘、断った後の勧誘、迷惑な時間の電話・訪問などが禁止されています。
- 業者が売主で、事務所等以外の場所で契約した場合は、書面で告げられた日から8日以内ならクーリング・オフができます(条件あり)。
相談の状況
| 年度 | 相談件数(全体) | うち20歳代 | 平均契約購入金額 |
|---|---|---|---|
| 2013 | 2,321件 | 160件 | 2,491万円 |
| 2014 | 1,937件 | 174件 | 2,386万円 |
| 2015 | 1,713件 | 218件 | 2,680万円 |
| 2016 | 1,605件 | 319件 | 2,617万円 |
| 2017 | 1,557件 | 339件 | 2,565万円 |
| 2018 | 1,350件 | 405件 | 2,776万円 |
全体の件数は減っている一方、20歳代の相談は2013年度の160件から2018年度の405件に増えています(PIO-NET、2019年2月28日までの登録分)(同)。
相談事例にある手口
- 投資用マンションをしつこく勧誘され、事業者が怖くて契約してしまった。
- 街頭アンケートに記入したら投資用マンションを勧誘され、契約してしまった。
- 家賃保証があると勧誘されて購入したが、赤字になっている。
- 事業者に指示されて虚偽の申告をしてローンを組んだが、支払えない。
国民生活センターは、強引な勧誘や不十分な説明、収入に見合わない高額なローン、ローンの虚偽申告の指示、クーリング・オフの妨害を問題点として挙げ、「投資にはリスクがあり、必ず儲かるわけではありません」「金融機関から融資を受ける際に虚偽申告をしてはいけません」と呼びかけています(国民生活センター)。
宅地建物取引業者に禁止されている勧誘
宅地建物取引業法施行規則の改正(2011年10月1日施行)で、次の勧誘が禁止されました(国土交通省)。
- 勧誘に先立って、業者の商号または名称、勧誘する人の氏名、勧誘の目的を告げずに勧誘すること。
- 相手が契約を締結しない意思(勧誘を引き続き受けることを希望しない意思を含む)を示したのに、勧誘を続けること。
- 相手に迷惑を覚えさせるような時間に電話をかけ、または訪問すること。
- 深夜や長時間の勧誘など、私生活や業務の平穏を害する方法で相手を困惑させること(大阪府)。
大阪府の解説は、拒絶の意思を示した後は、同じ業者の別の担当者や委託を受けた代行業者による勧誘も禁止されること、迷惑な時間帯は一般に午後9時から午前8時とされることを示しています(大阪府)。重要な事項を故意に告げないこと・事実と違うことを告げること、利益が確実だと誤解させる断定的な判断を示すことも宅地建物取引業法で禁止されています(国民生活センター 2010年)。
クーリング・オフ
宅地建物取引業法のクーリング・オフの主な条件は次のとおりです(大阪府)。
- 宅地建物取引業者が売主の売買契約であること。
- 業者の事務所、モデルルームなど継続的に業務ができる施設、一定規模の案内所、買主が自ら申し出た自宅・勤務先以外の場所で契約したこと。
- クーリング・オフができることと、その方法を書面で告げられた日から8日以内であること。物件の引渡しを受け、代金を全額払った後はできません。
- 書面で行うこと。業者は受け取った手付金などを返します。
融資の書類
通帳残高や所得資料の改ざん、見せ金、水増しした売買契約書の作成といった不正が確認されています(国土交通省・金融庁・消費者庁)。金融庁の調査では、紹介業者による資料の改ざんなどを察知できずに融資した事例が確認され、原本の確認を徹底していない金融機関も多いとされています(金融庁)。源泉徴収票や通帳などの資料は、内容を自分で確かめてから金融機関に出します。
契約前に手元に揃える書類
| 書類 | 確かめること |
|---|---|
| 重要事項説明書(売買) | 宅地建物取引業者は、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士に書面を交付して重要事項を説明させなければなりません(宅地建物取引業法 第35条)。説明を受けた日と、内容に分からない点が残っていないか。 |
| 売買契約書 | 価格・手付金・引渡し日・解約の条件。クーリング・オフについて告げる書面を受け取ったか。 |
| 管理規約・長期修繕計画・修繕積立金の資料(区分) | 修繕積立金の積立総額、管理費等の滞納額、共用部分の修繕の実施状況(国土交通省 標準管理委託契約書)。 |
| 入居者との賃貸借契約書 | いまの家賃・契約期間・入居者の有無。資料の利回りの前提と合っているか。 |
| サブリース付きの場合:特定賃貸借契約の重要事項説明書 | 家賃の見直し、免責期間、解約の条件、修繕費の負担(国土交通省 サブリース事業ガイドライン)。 |
| ローンの契約書・返済予定表 | 金利の種類と見直しのルール、返済期間、融資の条件として求められる商品の有無。 |
相談先
- 消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センターにつながります)(国民生活センター)
- 融資に関する相談:金融庁 金融サービス利用者相談室 0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)(国土交通省・金融庁・消費者庁)
- 悪質な勧誘の申し出:都道府県の宅地建物取引業の担当課、または国土交通省の地方整備局(国民生活センター 2010年)
出典
- 国民生活センター「20歳代に増える投資用マンションの強引な勧誘に注意!」(2019年3月28日)
- 国民生活センター「ますますエスカレートするマンションの悪質な勧誘」(平成22年11月25日、国土交通省サイト掲載)
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の一部改正について」(平成23年10月1日施行)
- 大阪府「マンション投資への悪質勧誘に対して、宅地建物取引業法施行規則の一部が改正され、『禁止される勧誘行為』が明文化されました」
- 大阪府「こんな場合はクーリング・オフ制度を適用できます」
- 国土交通省・金融庁・消費者庁「アパート等のサブリース契約を検討されている方は契約後のトラブルにご注意ください!」
- 金融庁「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果(主なポイント)」(平成31年3月)
- 国土交通省 四国地方整備局「宅地建物取引業法(抄)」
- 国土交通省「マンション標準管理委託契約書」改正資料(別表第5 宅地建物取引業者等の求めに応じて開示する事項)
- 国土交通省「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」
計算例の数字はすべて仮定で、特定の物件・商品を示すものではありません。本ページは一般的な情報提供を目的としており、投資の勧誘や個別の助言ではありません。税金の扱いは個別の事情で変わるため、税務署や税理士に確認してください。