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売るとき:譲渡所得税——短期・長期の区分と5年の数え方

更新:2026年10月30日(税制は令和8年4月1日現在の法令等で確認)|Veliq Living 編集部

このページの要点
  • 譲渡所得は、売った金額から取得費と譲渡費用を引いて計算します。給与などとは分けて税額を計算します。
  • 売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えれば長期(所得税15%・住民税5%)、5年以下なら短期(所得税30%・住民税9%)です。
  • 賃貸に使った建物の取得費は、所有期間中の減価償却費の合計を差し引いて計算します。買った価格と同じ価格で売っても譲渡所得が出ることがあります。

計算式

譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額(一定の場合)
  • 取得費:購入代金や購入時の手数料など取得に要した金額に、その後の改良費・設備費などを加えた額。建物は所有期間中の減価償却費相当額を差し引きます。取得費が分からない場合や、実際の取得費が売った金額の5%より少ない場合は、売った金額の5%を取得費にできます(概算取得費)(国税庁 No.3202)。
  • 譲渡費用:売るために直接かかった費用。仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、立退料、建物の取壊し費用など(同)。
  • 賃貸に使った建物:取得してから売るまでの毎年の減価償却費を合計して差し引きます。必要経費に算入しなかった年分があっても、毎年の減価償却費を合計します(国税庁 No.3261)。

5年の数え方

長期か短期かは、売った年の1月1日時点の所有期間で決まります。5年を超えれば長期、5年以下なら短期です(国税庁 No.3202)。令和8年(2026年)中に売る場合、取得が令和2年12月31日以前なら長期、令和3年1月1日以後なら短期です(国税庁 暮らしの税情報)。相続や贈与で取得したものは、原則として亡くなった人や贈与した人が取得した日から数えます(国税庁 No.3202)。

2026年1月に取得した場合の売却時期その年の1月1日時点の所有期間区分
2030年中3年11か月余り短期
2031年中(12月に売っても実際の所有は5年11か月)4年11か月余り短期
2032年1月1日以後5年11か月余り長期

税率

区分所得税住民税
長期譲渡所得(所有期間5年超)15%5%
短期譲渡所得(所有期間5年以下)30%9%

出典(国税庁 No.3208)(国税庁 No.3211)

所得税には、基準所得税額の2.1%の復興特別所得税が加わります(国税庁 No.3211)。令和9年分以後は、防衛特別所得税および復興特別所得税として扱われます(国税庁 暮らしの税情報)。下の計算例は所得税と住民税だけで計算し、これらの特別所得税は含めていません。

計算例:買った価格と同じ2,000万円で売った場合

2026年1月に新築の区分マンションを2,000万円(建物1,200万円・土地800万円、鉄筋コンクリート造、償却率0.022)で取得し、賃貸に使った後に売ったと仮定します。減価償却費は年26.4万円。取得した年と売った年もそれぞれ1年分として数え、購入時の手数料などは取得費に含めていません。譲渡費用は仲介手数料の上限(2,000万円で72.6万円)とします。数字はすべて仮定です。

項目2031年12月に売る(短期)2032年12月に売る(長期)
譲渡価額2,000.0万円2,000.0万円
減価償却費の合計158.4万円(6年分)184.8万円(7年分)
取得費(土地800 + 建物1,200 − 減価償却費)1,841.6万円1,815.2万円
譲渡費用(仲介手数料)72.6万円72.6万円
譲渡所得85.8万円112.2万円
所得税(30% / 15%)25.74万円16.83万円
住民税(9% / 5%)7.72万円5.61万円
所得税と住民税の合計33.46万円22.44万円

買った価格と同じ価格で売っても、減価償却費の分だけ取得費が小さくなるため、譲渡所得が出ます。1年待って長期になると、譲渡所得は増えても税率が下がり、この例では所得税と住民税の合計が11.02万円少なくなります。

1,900万円で売った場合(仲介手数料69.3万円)は、短期で譲渡所得−10.9万円(損失)、長期で15.5万円(所得税2.33万円・住民税0.78万円)です。損失は給与所得などと損益通算できません(国税庁 暮らしの税情報)。

売った後に手元に残る金額

手元に残る金額 = 譲渡価額 − 譲渡費用 − 税金 − ローンの残高

上の例で借入1,000万円・金利2.0%・35年の場合、残高は6年後874.20万円、7年後851.73万円です。2031年12月に売ると2,000 − 72.6 − 33.46 − 874.20 = 1,019.74万円、2032年12月なら2,000 − 72.6 − 22.44 − 851.73 = 1,053.23万円が残ります(復興特別所得税などは含めていません)。

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出典

  1. 国税庁 タックスアンサー No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)(令和8年4月1日現在法令等)
  2. 国税庁 タックスアンサー No.3261 建物の取得費の計算(令和8年4月1日現在法令等)
  3. 国税庁 タックスアンサー No.3208 長期譲渡所得の税額の計算(令和8年4月1日現在法令等)
  4. 国税庁 タックスアンサー No.3211 短期譲渡所得の税額の計算(令和8年4月1日現在法令等)
  5. 国税庁「暮らしの税情報」(令和8年度版)土地や建物を売ったとき

計算例の数字はすべて仮定で、特定の物件・商品を示すものではありません。本ページは一般的な情報提供を目的としており、投資の勧誘や個別の助言ではありません。税金の扱いは個別の事情で変わるため、税務署や税理士に確認してください。

最終更新:2026年10月30日|Veliq Living 編集部|不動産投資を始める前に(一覧)
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